2015/11/15

Chiemi

Chiemiさんは2014年に修士課程を終えた卒業生です。1年間のメキシコ留学経験があり、3年の民間金融機関における勤務を経てSAISへ入学、卒業した現在は米州開発銀行にて働いています。
同級生と学科旅行にて(前列左がChiemi)

簡単に経歴を教えて下さい。

慶応大学の法学部在籍時代からラテンアメリカの政治経済に興味を持ち、メキシコに一年間国費留学しました。その中で将来的にはラテンアメリカの開発にかかわる仕事、できれば開発金融の分野で貢献したいと考えるようになり、学部を卒業した後は民間の金融機関に就職しました。3年ほど、日系金融機関と米系アセットマネジメント会社でクライアントサービスやポートフォリオ管理の分野で経験を積んで、それからSAISに入学しました。専攻はラテンアメリカ学で、夏休みにインターンをした米州開銀へ大学院二年目からそのまま就職しました。最初の二年間は民間企業への投資プロジェクトの立ち上げを担当しましたが、現在はニカラグアのオフィスで地域統合、商業支援分野を見ています。具体的には、政府向けローンおよびグラント案件の執行管理が仕事ですね。

留学のきっかけは?

小さい頃から「アメリカで学生になる」ということに憧れていたので、難しい理屈はぬきに、その夢をかなえるタイミングを見計らっていました。そんなときに、SAISについて耳にしました。ラテンアメリカでの開発金融に関わりたかったので、ワシントンでの経験が有益なこと、またSAISでは経済・金融・政治をバランスよく、実務に生きる形で学べることなどは魅力でした。それに、SAISってラテンアメリカ学プラス政治経済をダブルで専攻ができる唯一の学校なんです。そうしたことがあって、ここでマスターを取ることに決めました。

SAISの印象を教えて下さい。

SAISでは、政治・経済の理論を学ぶためのクラスだけでなくて、それを実際の現象に照らし合わせ、実務的視点から分析するスキルを身に着けることができたと思います。たとえば、私が履修したCommodity Economicsの授業では、まずマクロ経済学、マネタリー理論で学んだモデルを使い、天然資源が豊富な国で起こった経済現象を分析し、その分析をベースにその経済に潜在するリスクを指摘かつ回避のための政策を特定した上で、分析結果についてプレゼンテーションおよびPolicy Paperでの提案、という流れで授業が行われていました。理論をしっかり学ぶことは知的好奇心の観点からも、さらに、あらゆる経済分析についてベースを固める意味でとても重要ですが、このクラスのように理論をスタート地点として、実際にアウトプットとしての政策提案まで行うスキルを身に着けることは、政策関連の機関で働く際、中身のあるプロフェッショナルとして活躍できるようになるために、とても有益だと考えています。それに、プレゼンとペーパーを丁寧に、厳しく添削してもらえるというのも良い訓練になりました。

ニカラグアについて教えてください。

ニカラグアはラテンアメリカの最貧国のうちの一つです。今後も国際開発の分野でキャリア構築を考えているのですが、この分野で貢献するためには実際に現地の状況を肌で感じ、生活からも学ぶことは大変有益だと考えています。ニカラグアはどうしてこれほど貧しいのか、日本で生まれ育った者として、机の上で勉強しただけでは理解することのできない部分がありますが、そういった部分について、実際にニカラグアの政府や企業、コミュニティと一緒に仕事をし、日々の生活にて社会の色々な問題点を経験・観察することで、貧困問題の核心の理解に近づくことができれば、と考えています。

夢はありますか?今後のキャリアはどんな風に考えていますか?

ラテンアメリカにおけるビジネス開発支援に興味があるので、そのテーマについてマクロな視点、例えば市場整備、政府支援、それからミクロな視点、これは企業CSR支援や企業への直接投資といった分野ですが、その両方で貢献していきたいと考えています。そして遠い将来、ラテンアメリカにおいて特にセンシティブなテーマであり、他の地域においてもこれまで介入がとても難しいと考えられている、先住民コミュニティにおけるビジネス開発の分野に従事できるようになりたいと考えています。そのためにはまたいつか、専門性を高めるために大学に戻るというオプションもあると考えています。

SAISを目指す方に何か一言お願いします。

金銭の損得やキャリアアップだけを考えたら他の道もあるでしょう。しかし一人の人間としての成長と学術的な冒険を求めて、そして一度の人生を豊かなものにするという理由だけで留学を決めてもいいのでは。

ChiemiさんのLinkedinプロファイル:https://www.linkedin.com/in/chiemi-nakano-9a247757

カナダ学の研究室で仲間と


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